午後6時。会社を足早に退社し,大急ぎで自宅へ戻る。 バタバタと準備を済ませ,夕食をむさぼり,風呂に入る。 よくある釣行前の一場面を規則正しく演じていた。 少しでも寝とくかな・・そう思って床に入るが,興奮し きった脳みそは,言うことを聞くはずも無い・・。 と,ここで結構役に立つのが座禅。あぐらを組み,静かに 目を閉じて何んにも考えない。約10分でそのまま眠りに移行する。 (決して,空中浮遊だけはやらないで下さいね!) 釣行前の興奮状態の時はこれが一番。精神の健康にも良い。 10分で物足りない場合はこの倍,あぐらを組みましょう。倍あぐら・・・ バイアグラなんちゃって・・ね!パワー出そうでしょ? 下らんダジャレはこの位にして。 午前12時17分。予定より17分遅刻して hana_chan と RinRin 参上。 荷物を僕の車に積み替え,午前12時35分 急いで出発。 なぜ,急いでいるかというと,本日デビュー戦の新人 Machoo_san が 別の場所で待っているからだ!。12時30分待ち合わせでここから30くらい かかる。今,12時40分・・・。ま,急いでも急がなくても同じなんですけどね。一応,急ぐ。 おっと,申遅れましたが Machoo_san はマッチョマンではありません。 普通のおじさんです。ニックネームは名前から由来してます。 年齢は3x才。・・もちろん後半です。
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なんとか無事に合流?。一路,呼子へと車は走ります。 途中,二丈浜玉道路で先発隊(Shimoyan hiroyan non_chan)の車発見。パッシング光線で攻撃する。 敵もハザードランプ点滅爆弾で応戦してきた。おっとと,カモメロードには地雷(オービス)があります 気を付けて。対空砲火の中,無事に釣具のオカベ(呼子店)へ着陸・・いや到着。 今日のマキエは,オキアミ生1角・アミ半角をベースにイッキ浮かせグレ1袋,パン粉1袋を混ぜる。 付けエサは生イキくんオキアミ(Lサイズ)と生イキくんサシアミ(Lサイズ)。全部で3000円弱。安上がりです。 隣のコンビニで人間のエサを購入。人間のエサ全部で1200円(乾電池含む)・・・まっいいか。 午前3時,予定通りマリンペガサスはたくさんの釣人を乗せ,湖のような海をゆっくりと進み港を離れた。 何番目だったか?・・中尾船長よりお声がかかった。船のサーチライトが照らしているのは加唐島の北, 小崎(こざき)・・名礁である。 荷物を連携で磯へと下ろして行く。これまた瀬上がりの一場面を規則正しく演じていくメンバーたちであった。 全員,瀬上がり完了。船を見送った・・・と,ここで第1発目の non_chan ハプニング発生。 ない・・・ない・・ non_chan のマキエと付け餌を入れたバッカンが・・ 朝一番,磯に上がってエサがない・・釣り師がもっとも恐れるハプニングが non_chan に襲い掛かって きたのです。幸い携帯電話が通話可能だったので,一件落着となったのですが・・・ しかし,このハプニングはこれから始まる 題して「non_chanの悲劇」の序章にしか過ぎなかったことを メンバー全員,後に知ることとなるのです。 雲ひとつない空,星が輝き,流れ星が行き交う。小波のやさしいささやき だけのしずかな夜明け前・・ エサを受け取った non_chan の安堵のため息がひとつ過去へと流れていきました。
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もう,夜明けは近い。 マキエを混ぜ合わせ,各々ジャンケンで決めた釣座に散って行く。 今回,僕はジャンケンで一番!ナイスポイントに入れた。 船付場からは結構遠いが,ナイスポイントだけに荷物運びも気合が 入る。(ん〜,いい響き!・・ナイスポイント・・) マキエを釣座の先端まで運び,足元に打つ。激流・・・・ むちゃくちゃ早い潮が向かって右から左へと流れている。 左手には hana_chan が釣座を構えている。その距離約10m。 もしかすると, hana_chan においしい所もっていかれるかもしれない。 右手には,磯釣りデビュー戦の Machoo_san その距離約4m・・・ ん,なんでそんな近くにいるんだ〜・・と思って目をやると 微笑んでいた・・・。 これでは, Machoo_san のマキエをあてにはできないな〜等と考えて いたら,なにやら白い粉が降ってくる。 何だろう?と横を見るとまたまた Machoo_san が微笑みながらマキエ を打っていた・・・そのマキエ・・・水を加えていない。 つまりパサパサ。そんで打っても打っても海には届かず,風に流され 僕のほうへ飛んできてたわけ・・・
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俺にマキエ打ってどうすんだよ,俺に!
そのマキエにつられてエサを俺が食うとでも思った? 食わないね!絶対食わない。食ってたまるか! ・・・パク あれ? ・・んなわけないけど,微笑みが続いてるんで知らん顔することにした。・・・絶望・・・ とりあえず,僕と hana_chan の間にワンド(くぼみのほうが正しいかもしれない)があるので, そこに入り込む潮にのせるようにマキエを打ってみた。 仕掛けを潮上(かなり上)に振り込む。あっという間に目の前を通り過ぎる。 ワンド付近に来ると一瞬ウキが止まる。どっちに流れようか,ウキも悩んでいるみたいなので, こっちだよ〜とラインを少し引っ張る。 うまくワンドへ流れる潮にのった。そして,絵に書いたようにゆっくりとウキが沈んで行く。 内心マジかよ〜と思いながら(実は根がかりと思った)竿をゆっくりと立てあわせを入れる。・・・ズシ・・・ の・・・のった。久々の手応えに感動しつつブリ上げる。 31Cmのクロ。たて続けに4枚同型のクロを釣り上げ,RinRin にひとまず釣座を譲り,高見の見物としゃれ込む。
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RinRin も同様に竿を曲げる。3枚釣った所で,なぜか後ろで待機してる Machoo_san と交代。しかしこの時,少し潮が緩んでいた。 Machoo_san あたりにおおあわせを入れる。すっぽ抜け・・ Machoo_san 今度はゆっくりとあわせを入れる。空振り・・・ ん〜もうじれったい,なにもせんでよか! Machoo_san ピクリとも動かない・・のった。 Machoo_san 直立不動でリールへラインを巻き取る。 上がってきたのは,カワハギさんでした。 ん〜残念!と声をかけようとしたが,カワハギを見ながら微笑んでいたので知らん顔をすることにした。 Shimoyan hiroyanもワンド付近に釣座を移動しクロをポツポツと手中に収める。 よ〜し,みんな釣ってるな!今日はいいせんいってるじゃないの!・・あれ?non_chanは? あ〜あんな所にいる。遥か向こうに点のようにnon_chanがいる。ということは,釣れてるのかな?・・ 行ってみることにした。 ヒーヒー言いながら到着。 僕 :「釣れてますか?」 non_chan:「いや,全然!」 僕 :「・・・・」 non_chan:「あたりは有るんですけどね〜」 僕 :「向こう今,結構釣れてますよ。来てみたら?」 non_chan:「もう少し粘って,ダメだったら行きます」 僕 :「お待ちしております」 そして,ヒーヒー言いながら戻る。 戻って釣り再開・・しかし潮はピタリと止まっていた。しかも,バリがわいている! 暫く,バリと遊ぶ・・昼寝タイム突入(昼寝といってもまだ午前10時前) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お〜!,hana_chan が大物をかけた!「玉網はどこだ〜!」誰かが叫んでいる。 少し気の抜けた磯の雰囲気が一変,緊張が走る・・・・これは夢・・夢・・ ハッと目がさめた!・・やっぱ夢か?ところが,である。周りは慌しい。 「玉網はどこだ〜!」と誰かが叫んでいる!「網がバッグのファスナーに引っかかって取れない!」 hana_chan が助けを求める。RinRin 走る!・・・現実にhana_chanは大物らしき魚をかけていた。 寝ぼけまなこでよ〜く見る。右に左に獲物はもがき走る。どうやら磯のスプリンター・イエローテール に間違いないようだ。それもデカイ! hana_chan締め込みに 耐える! 耐える! 耐える! ・・絶える 痛恨のラインブレイク。その大物は姿さえ見せてくれなかった。 ピーンと真っ直ぐに戻ったロッドを見て,どこまでが夢でどこまでが現実かよくわからなくなった。 時計を見ると午後12時過ぎ。ゲッ!2時間も寝てしまった。 慌ててロッドを握る。hana_chan のバラシを皮切りに本日2度目の時合い到来。 なんとグットタイミング!またしてもクロが食い出した。みんなクロを追加していく。 とうとう Machoo_san も32Cmを釣り上げた! ん〜いい調子!ところで non_chan は?・・・ また点のように見えた。ま〜だあそこで釣ってるよ。釣れたのかな〜? ま,釣り師にはこだわりがあるのでほっとこ・・・ しばらくして, non_chan がヒーヒーいいながらやってきた。 ・・・あんまりこだわりないみたいね・・・ そして,本日ただ一人まだ釣っていない non_chan にあたり!大きく竿を曲げる。 結構大物らしき引きである。みんな,手を休め祈るように見つめる。がんばれ〜!応援の激が飛ぶ! 上がってきたのは,で〜っかいバリ・・・\なにもなかったかのように,みんな無言で釣りを再開した。 ・・・ non_chan に再びあたり! 今度はみんな,慎重に横目で見て見ないふり。 でかい・・でかいクロだ! いっせいに竿を置きサポート体制に入る。 無事,手中に収まった。「これ!ホームページ用ですね!」うれしそうにクロを持ち上げた ・・その瞬間・・・ クロが跳ねた・・書きながら泣けてくるが,クロはそのまま海にお帰りになられた。 その出来事を皮切りに時合いが終了したのは,言うまでもない。 ・・・アーメン・・・ (完)
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